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バ ラ カ ン作成秘話 弐

バ ラ カ ンの歌詞の意味をお伝えする文章の後半 (前半はこちら
違うメロディーが展開する中盤
「音の響きは面白いけれど蒲原のひと以外には意味がわからない」という箇所にしたかった
サウンドの雰囲気も変わり 声も少しケロケロボイスで

わりっけやだ困る 蒲原蒲原
この地域のひとは「わりっけや」「わりいっけ」という言葉をよく使う
「申し訳ないよー」的な意味のようなんだけど申し訳なさそうではないことが多い
合いの手のようにカジュアルに使われる
「やだ困る」も元々は読んだ通り「嫌だ」「困る」という意味のはずなんだけど嫌そうでも困ってもない
うれしいこと 驚くこと 面白いことがあったりする度に「やだこまるー」と合いの手のように言う

みるいんがうまいだよ 蒲原蒲原
「みるい」は「成熟しきってない」というような意味 いい意味で使うことが多いように感じる

育ちきると固くなるような作物が若く柔らかいときなど「みるい」という
さらにこの地域では「の」が「ん」に置き換わることが多く さらには置き換わった「ん」が省かれることも多いので
「みるいのがうまいんだよ」が「みるいんがうまいだよ」になる

どうしたもんずらか 蒲原蒲原
10年前蒲原へ移り住んだ頃 年配の方が「ずら」を使っているのを聴いて「ドカベンの殿馬!」と思ったのを思い出す
ずら単体で聞くことは減っているようだけれど「どうしたもんずらか」というフレーズだけはたまーにふざけて言うひとがいる

いいとこまんじゅう 

この言葉の意味がいまだによくわからないんだけど「いいとこまんじゅう連れてってやるよ」みたいな使われ方をする

「いいところに」で十分な気がするので「まんじゅう」は語呂合わせというか はずみを付けてるだけなのかも知れない

 

 

蒲原蒲原 LALALA…

このLALALA…が蒲原が生んだ偉大な先輩歌手の名曲へのオマージュだと知るひとは少ない

ここでメロディーが戻る
 

広重や 雪が見えたかね ぬくといのに

安藤広重の浮世絵「東海道五十三次」は「夜の雪」という副題がつけられている この絵のことを蒲原のひとと話すと必ず「雪ん積もったことないだけんねー」という流れになるくらいこの辺りは雪が降らない
数年前静岡にも雪が降ったとき薩埵峠と富士市までは雪景色だったのに蒲原は積もらなかったくらいに雪の降らない蒲原がなぜ雪景色で描かれたのかはいまだに謎らしい

志田邸はお醤油屋さん 五十嵐邸は 歯医者さん

志田邸は蒲原でも旧い建物で元々はお醤油屋さんだったそうだ いまは資料館になっている
旧醤油醸造蔵は最近TSUBAMENOYADOというバックパッカー用の宿泊施設になってるし ここのオーナーコーセーは蒲原を元気にする動きの急先鋒
 

その斜向かいにある旧五十嵐邸は坂本龍馬の暗殺現場に駆けつけたことで歴史ファンには名高い(そのせいで犯人説まで浮上した)田中光顕さんの行きつけの歯医者さんだった場所 その当時頑張って洋風に建てた風情のある建物は時間の流れが違って素敵 平日行って縁側でぼーっと亀を見るのもおすすめ

ここでキメが入って転調するボンジョビオマージュ オマージュ海老

桜えび踊り カンバーラカンバーラ

蒲原は桜えび加工や中買いの人も漁にかかわっているひとも多い 昔は浜から漁の船が出たらしい
 

工場も輝く カンバーラカンバーラ
蒲原のイハラニッケイの工場群は工場夜景マニアの間では評判がいいらしい 蒲原の場所がわからなくても「バイパスを富士方面に走ってて左手に工場が光ってるところ」と言うとわかってもらえることがある

踊好き集い カンバーラカンバーラ
蒲原から東京へ出た子供が盆踊りのときだけ帰ってくるという話も聞くくらい蒲原の衆は自分たちが踊り好きだと自覚しているし盆踊りも盛んだ 蒲原太鼓のみなさんとも今回おあいしてお話したが 脈々と受け継がれる踊り好き 祭り好きの伝統は強い 振り付けレクチャー会も このご時世開催して来てくれるだかと心配していたが定員に達したし アンケートにも開催してくれてありがとうという言葉が多数あって ぐっときた

 

歴史の花咲く カンバーラカンバーラ
なにせ東海道の宿場だ 山部赤人も 源義経も 織田信長も来たり通ったりしたそうだ
だって御殿山の名前は武田氏を滅ぼした信長をもてなすために家康が作った蒲原御殿から来てるらしいよ
昔々にはヤマトタケルも通ったはず!

蒲原が好き!

この曲を作る際に 蒲原が市だったころ作られた蒲原のうたを数曲聴かせてもらった
そのなかに「蒲原が好き」という曲があり どうやら当時カセットテープが各家に配られたらしい
そんな先輩方が大切にしたうたのタイトルを曲の最後にもってきたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそもこの歌詞は蒲原に住んでいるみなさんから寄せられた言葉の数々を俺がまとめた部分に俺が補足してこんな内容になったのだが 正直意味なんてわからなくてもいいと思っている
とりあえず踊って欲しい 踊ってるうちに口ずさんで 知らないうちに五十嵐邸やさくら吊橋に行ってみたくなったり 浄瑠璃姫の恋に感情移入して蒲原中の前の吹上の六本松をしみじみ撫でたりなんぞしてくれたら幸いである


 

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